Aayirathil Oruvan (Tamil/2010)をDVDで。
ただし一部再生不可でスキップ。それにしても長大な、ゲップの出そうな特盛りだった。ごった煮感。前半と後半で別の映画みたいになる本作、一般的な評価は後半の方が高いようだが、前半の性的緊張をはらんだ男一人女二人の秘境行軍が面白かった。前半後半を通じて、フォークロアの特徴である尤もらしい捏造の神秘的世界が描かれるのだが、それの土台となる世界観構築はかなり雑。それからチョーラとパーンディヤをあそこまで敵対するものとして描くのは問題ないのか。あと、前半で一行を襲う土着(ベトナムという設定だが、アンダマンを思わせる)部族と後半のチョーラの末裔とが、どちらもインド映画が未開を描く時に用いるクリシェに則っていて区別がつかないという欠点も。クライマックスの、近代的火器で圧倒するインド陸軍がチョーラの末裔を蹂躙するシーン、どう見ても東インドの部族民を好き放題に狩る警察&民兵にしか見えない。全編を東インドのマオイストの物語として読み解きたくなる。リーマーの思い切りの良いセクシー演技は最高。MGRソングへのオマージュシーンはカッコ良かった。