エリザベス(UK/1998)をNTFLXで。
インド映画じゃないもので息抜きしようと再生して3分で思い出した、シェーカル・カプール監督作じゃん。87年のMr. Indiaはこてこてマサラ映画だった。94年の『女盗賊プーラン』は未見だけど、これで国際映画市場で頭角を表したと言うことなのか。それにしても10年の時を経てのこの作風の大転換には口あんぐり。カズオ・イシグロなんかもそうだけど、アジア人がイギリスでこてこての英国調をやっちまって成功するのはなぜなのか。ともかく本作や『ゴールデンエイジ』を観て絶賛してる連中には、是非ともMr. Indiaを観て度肝抜かれて欲しい。しかしまあ、主演女優の演技とビジュアルで9割方が決まってる作品だ。宇宙人みたいな顔の造作がどんどん研ぎ澄まされていき、最後に完成形になる。柔らかく瑞々しい若芽が、凍てついた氷の女王になるドラマチックさに痺れる。衣装を中心とした考証は、時代の厳密な再現というよりはファンタジー的造形か。メアリを演じるファニー・アルダンのメアリは現代人的存在感が溢れてしまってちょっと場違いな感じがした。愛人役は余りにもらしさが過ぎてつまらなかった。