Shiraz (Silent/1928)をYTで。
WeAreOneオンライン映画祭の一環としての配信。提供元はBFI。デジタルリマスターしたうえでアヌシュカ・シャンカルの音楽をフィーチャーしたもの。色々印象的なところがあった。キスシーンが二回(三回?)もあるとか、いわゆるイスラミケイト作品であるところとか。オステンのイマジネーションは完全にアラビアンナイトのもので、まがりなりにもヒンドゥー神話を映画化したダンガンとは随分違う。登場人物は全員ムスリムで、映像のソースはトルコ辺りのもののように見える。これは個人の嗜好によるものなのか、それともドイツ人とアメリカ人との差なのか。恋愛の情感表現は至極あっさりしたもので、逆に悪役女性のキャラが立っているように思えた。本作に限らず古映画で悪役が目立ってしまう現象は何なのか。その悪役を演じたシーター・デーヴィーがどう見ても一番「顔がいい」役者なのでその印象が一層深まる。それから、一切セットを組んでいないということだが、シャージャハーンの宮廷のシーンのロケ地はどこなのだろうか。あと、アーダーブの所作が現代の映画で見るのとは微妙に違っているように思えた。