NOTA (Telugu - 2018)をUSAPで。
タイトルの意味は知っているけど、それがこの話とどう関係するのか最後まで分からなかった。テルグ・タミル・バイリンガル作品だけど、ヴィジャイDが主演なのだからとテルグ版を選んでみたのだけど、タミル人役者がわさわさ出てきて、むしろ本籍タミルなのかも。実際にタミル版の方がヒットしたというのだけど、今一つ解せない。タミル映画ならもっと暑苦しい民族主義を入れないと現実感がないのではと思ってしまう。Mudharvanから始まり、Leader、BAN、Lucifer、etc.に至る政治スリラーの定石をうまく取り込んで飽きない作りになっているが、クライマックスに親子の個人的なセンチメントを持ってきたのは余り感心できない。盛り上がりに欠けてカタルシスがない。野党代議士を演じたサンチャナ・ナタラージャンが悪くないと思った。俳優出身の政治家、CMの息子がポッと出で襲名する慣行、裏金満載のコンテナ、ホテルでの籠城、大水害など、お馴染みモチーフで埋め尽くされる。暴動を防ぐために暴れそうな奴を予備拘束するのを善として描くところには彼我の差を感じずにはいられない。