Dhobi Ghat (Hindi/2011)をNTFLXで。
邦題は「ムンバイ・ダイアリーズ」。大層心に染みわたる映画体験だった。ストーリーよりもまず映像のテクスチャーがいい。マハーラクシュミーのドービー・ガート、どこかは分からないがアーティストの好きそうな見捨てられた地区、海に突き出した富豪の邸宅。画家のアルンと金融コンサルタントのシャイとの関係性はリアルで、典型から外れたものを感じる。洗濯屋稼業をしながら俳優を目指すムンナも少しだけ外れてる。フッテージを残したヤスミンも、犠牲祭は嫌いだなどと告白し、属性から期待されるキャラクターから外れる。シャイが撮るという設定の写真のショットの数々が素晴らしい。特に洗濯場でのムンナを撮ったもの。プラテイクの役へのなじみ方がいい。どうしてTSみたいなのがスターになって、この子は相変わらず地味なのかとばかり思いながら見ていた。ムンナのバイトとしての鼠捕りが、洗濯屋仲間からさえ汚らわしいとされ、シャイに知られたことがトラウマになる(洗濯は撮影させてたのに)ということの意味は何なのか。ラスト近くでムンナが中産階級の婦人から馘を言い渡されるシーンの意味は?