Vasanthiyum Lakshmiyum Pinne Njaanum (Malayalam - 1999)をEros Nowで。
既にカンナダ語リメイクを見ていたので衝撃のラストについては織り込み済みだが、オリジナルではそこに至る過程が充分に説明されていない気がした。けれどももちろん傑作であることには変わりない。20年たった今、検索してみるとレビューはほとんど見当たらず、ソングのサイトばかりヒットするというのが本作の性格を物語っているか。公開当時大ヒットしたというのがやはり驚き。タミル・ニューウェーブやバーラー監督を先取りしたような、最底辺の人々の救いのない物語。社会の低層に目を向けることの少ないマラヤーラムの娯楽映画としては画期的。また最後のソングのシーンの劇的な緊張感の盛り上げも出色。ヴィナヤンはここでクリエイティビティの全てを出し切って、残りの監督人生を色物スペシャリストとして過ごすことになったのか、余りの落差にクラクラする。カラーバワン・マニは生涯の名演、これにはAvan-Ivanのヴィシャールも霞む。この作品、そしてヴィナヤンの立ち位置にカーストがらみのものがあるのか、謎。