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Helen (Malayalam/2019)をDVDで。 

同年のJuneと同工異曲の思春期の娘と父親との交情ものだろうと思ったら大違いで、途中から緊迫のサバイバルものになる。これだから現地DVDでの鑑賞は止められない。日本語化された作品は結局色々と事前情報を仕入れて見ることになるから。実話を基にしていると言うが、平凡な日常から極限状況への導入、またそこからの日常への回帰は唸るほどに上手い。これは脚本の冴えだろう。マラヤーラム映画の強みが良く出た一作。サバイバル体験を通じて、ファーストフード店や警察のマネジメントの問題が炙り出される面もある。特に警察のそれは、映画に出てくるような腐敗の極みではなく、微かな軋みがダメダメの結果に導くというリアルな描写。それから舞台がコーチンのシティセントラルという微妙なモールだというのもオタク心をくすぐる。一つだけ合点がいかないのは、ヒロインがあれだけ段ボール箱に囲まれ、活用しながらも、段ボールでコートを作るという発想がなかった点。日本人なら普通思いつくのだが。常夏のケーララ人には段ボールハウスというのを見たことがなかったのだろうか。ヴィニートのカメオも◎。

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