Street Dancer 3 (Hindi/2020)をイオンシネマ市川妙典で。
ストーリがないと言って散々に批判されているけど、いやストーリーはちゃんとあった。舞台をムンバイからロンドンに移し、背景をムンバイのストリートキッズの世界から、ロンドンの南アジア系住人・移民に広げた。問題はストーリーの薄さではなく、ダンスそのもののように思えた。劇中でプラブデーヴァが「年寄り」と侮蔑されるシーンがあり、そのすぐ後にPDの華麗な舞いが披露されてそれを打ち消すのだが、PDの舞いにある優雅さ・色艶が、キッズたちのそれには認められないのが気になった。ダンサーの個人技じゃなく、アクロバット団体みたいになってるんだもん。それからワルンの演じる主人公が、名門ロイヤルズから離れるところに説得力が欠けていたように思う。あと、芸の追及への動機づけに社会正義を持ってきたのは芸道もの的にはあまり感心しない。それでもライバル勢力が最後には芸の前に惜しみなく喝采するというお約束は保たれていた。冒頭から目まぐるしく各種の名人技を見せながらも、最終パフォーマンスが一番感動的なものになるというクレッシェンドの力配分も見事。