今年のテルグのサンクラーンティ大作二本、AVPLとSLNKは、ガチで正面衝突したけど、どちらも大敗せず、winwinに終わったらしい。
しかしまあ、どちらのノドに挟まる小骨のような瑕疵を幾つも持っていて、均整の取れた傑作とはいいがたいものだった。カメラの映像美や音楽など、プロダクション・バリューは非常に高い、ただ肝心のストーリーの組み立てに、テルグ特有の無神経さが出てしまった。それは特にコメディーの質と女性の扱いに端的に表れていた。批判的なレビューを読めばいくらでも実例が挙げられている。同時に、両作があらかたの女性観客の支持を得ているだろうことも予測される。豪邸の大家族というテルグ映画の相も変らぬ家族観を、Kumbalangi Nightsと比べたレビューには目を開かれた。ようするに沿海地方ルーツのアーンドラ人マジョリティーの鈍感さをくっきりと反映したものなのだな。外の動きと引き比べながら見ると、そういうものがいちいち神経に突き刺さるのだけど、圧倒的なスターの魅力の前にチクチク指摘するのが野暮ということになってしまうのだ。テルグ映画というのは本当に厄介。