Sarileru Neekevvaru (Telugu/2020)を川口スキップシティで。
どうせまたカシミールの軍人の武勇とテルグの地でのファクション抗争を雑にくっつけたアイドル映画なんだろうと決めてかかってたけど、アクロバティックなやり方で両者の間にロジカルなつながりを成り立たせた。そしてカシミールでの軍務からカルヌールの抗争に話を移すに当たって、長大な列車でのコメディーを挟んできてリアリズムからの遊離をはっきりと示した。そして特筆すべきなのは、ラーヤラシーマのファクショニスト政治家をメイン悪役に据えながらも、最後にそいつを血祭りに上げるのではなく、軍隊に送って根性を叩き直すというのが新機軸。Alluri Sitaramarajuへの言及がやたらと多かったが、部族民との何らかの連関に意味があるのかどうか。マヘーシュは軍人の役なので、愛郷心よりも愛国心が全面に出ることは分かってたけど、これが巧みな表出で不覚にも泣いてしまった。一つはインド国を母に例えるというロジックで。もう一つは、お前らみたいなのですらを守るためにこっちは国境で命がけの軍務についてるんじゃと言って悪役を殺さないところ。