Tharai Thappattai (Tamil/2016)をYTで。
芸道もの、ダリトものの両方でどうしても見たかった一本。バーラー監督だというのは忘れてた。だけど後半になって思い出した。異様なほどにトラウマ的な流血の地獄を撮るのを追求してる人だったわ。例外はAvan Ivanだけ。前半はカラガッタムのど迫力で魅せる。後半は芸の道から徐々に離れてバーラー特有の無惨絵になる。底辺にいる者たちが暗闇に蠢く人非人によって簡単に陥れられて、あり得ないような残虐さで贄となる。創作なのか事実なのかよくわからない点も幾つか。親父が古典声楽的な音楽をやり、息子はフォーク、けれども映画ソングはやらない、でも仕事が来なくて切羽詰まると、葬礼のお囃子も引き受けて、でも尊厳を損なわれてボロボロになるというの、現実にあり得る話だろうか。それとも、ファンタジーとして構築された世界なのだろうか。カースト・ヒエラルキーや禁忌の話になると例によってタミル人レビューワーの口は重そうなので調べても分からないかも。ヴァララクシュミのキャラクターには今ひとつリアリティーが感じられなかったが踊りは全部良かった。映画ソングもいい。