Kammara Sambhavam (Malayalam/2018)をDVDで。
182分の長大な中二病作品。新人監督より脚本のムラリ・ゴーピの作風がプンプン。本作封切りの時期にディリープは性犯罪教唆で一番ヤバい状態にあったはずだが、シッダールトの客演が救いになったか。それにしてもよく引き受けたもんだ、この脚本を。怯懦で腹黒い小者が、汚い手を使って激動の時代を生き延びたことを前半で語り、後半ではそれを英雄化した映画として見せる。政治風刺であるだけではなく、タミル語映画も思い切りディスってる。まさかの日本語多出作品。つまらない小者を独立運動の志士に仕立て上げてイメージアップというの、元になった政党というのはどこなのだろうか。冷酷無比な女領主としてのシュウェータ・メーノーンが相変わらず美しい(間違いなくOzhimuriの影響下)が、前半部での役割がよく分からず不発。戦闘のシーンは巧いとこと雑なとこが混じって落ち着かない。気取って「歴史とは合意された嘘の集合体である」というナポレオンの言葉が引用されるが、もっと簡潔に「死人に口なし」でいいような気がする。チャンドラボースとガーンディーの関係も?