『ザクロの色』The Color of Pomegranates (USSR-1969) をBDで。
これを見たくてBD再生環境を整えたようなものなのに、心の用意ができずしばらく放ってあって、やっと見られた。30年ぶりぐらいか。ズル剥けのインド映画に鼻下まで浸かった自分が、本作の中二病大爆発に再びまみえてどんな化学反応を起こすか気になってたけど、ただもう静かな瞑想的な時間を過ごせた。全ての芸術映画の頂上に君臨する一作、全ての映像詩的作品はこれの後追い。回顧上映の機会は何度かあったけど、観るために色々ハッスルするのが嫌で足を運んでなかった。もうこの先はこのBDを繰り返し見るだけでいいような気がしている。『ザクロ』と言ったらソフィコ・チアウレリだけど、彼女が登場する前の幼年期の部分が映像としては最も美しいものだと思う。サヤト・ノヴァ物語は古譚の世界だと思ってたけど、ライナーノーツを読んだら18世紀の人だと。そんなに「最近」の人だったとは。それにしても、アルメニアという一国のイメージが自分にとってはこの作品しかないというの、凄いことに思える。これ以上色々知ろうとしない方が良いような気がしてる。