「ガリーボーイ」を試写で。
英語字幕で見た時とラップの歌詞のイメージがかなり変わった。特にapne time ayegaのそれ。二度目なので幾つか気づいたことがある。サフィーナの家はダーラーヴィーに近接してるのかもしれないけど、スラム内ではない。父は医者で中流の下ぐらいの経済状況にある。それからムラドが家を出て母と共に移り住むのは市内の別のスラム(たぶんBhandup)だとか。スラムの3文字のインパクトのせいで忘れがちになるけど、主人公は大学生なんだ。これがムンバイのスラムの特質なのか、それとも他にもそういうところは多いのか分からないけど、中産階級に手が届くくらいの暮らしをしてるけど住む場所だけがないというクラスの人々が分厚い層をなしているということ。傑作と称賛されているが、トントン拍子のラストにはあまり感心しない。一番感じ入ったのは、富裕階級のパーティーに運転手として随伴するシーン。車のボディーに眩い電飾が反映して、何者でもない自分を思い知らされるところ。「こいつみたいな運転手だって大学を出てる」と説教のつまみにされるところ。泣いている女主人に慰めの声をかけられないところ。