Elippathayam (Malayalam - 1981)をYTで。
過去に映画祭で上映されたことがあり、その際の邦題は『ねずみとり』。日本語のレビューは僅かしか見つからない。動画は字幕なしだったが、淡々とネット上の字幕倉庫から拾ってきて乗っけてみたらピタリと合った。久しぶりに見たアドゥール・ゴーパーラクリシュナン作品。夜の闇が深く、虫の音や鳥のさえずりが際立っている。休み休みだけど何とか挫折せずに、主要登場人物5人の2時間弱を見ることができた(もう芸術映画には耐えられないんじゃないかという不安があった)。とある人からナーイルのタラワードの崩壊を描いた作品と示唆されていたのだが、前知識がなかったらナーイルだとは思わなかったかも。カースト言及は完全に封殺されている。シャーラダの女神のような存在感は凄い。現在は怖い系の小母さんになってしまったけど、本作中では大ぶりな怖い顔はそのままで、立ち姿の美しさが圧倒する。カラマナの芝居が見事なのは書くまでもなし。怯懦で無能で、共感能力のない旧時代の領主の末裔をこれでもかと見せる。特に召使女との無言のインタラクションが様々な想像を掻き立てて圧巻。