Theevandi (Malayalam - 2019)をDVDで。
タイトルが汽車を意味すること以外、全く予備知識なしで臨んでみたら、吃驚のブラック・コメディーだった。田舎の舞台、思わせぶりな年代設定から、文芸的なドラマかと思ってたら、インド映画名物の喫煙フォビアと喫煙防止公共広告を盛大にパロったものだった。全編の7割近くが喫煙シーンじゃないだろか。しかし話が進むにつれてヘビースモーカーの主人公に更生への道しるべが見えてきて、要するに、普通の映画では冒頭の15~30秒ほどを使って見せられる公共広告を140分かけてコメディー仕立てにしたものなのだった。中盤辺りまで天晴れな反逆精神だと感心してたのが馬鹿だった。単純な禁煙成功譚では面白くないので、そこに田舎の人間模様を加えたのだが、話が回りくどすぎる気がした。ただし、離れ小島に住んでいる謎のミュージシャン二人組(ボブ・マーリーとラスプーチン)のシーンは良かった。主人公の生まれ年が1989年、つまり現在時点で29歳というのには何か意味があるのか。トヴィノは好演しているが、高校生役はさすがに無理筋。高校時代の喫煙シーンで煙草にボカシは皮肉か。