『シネマの天使』
地方の閉館する老舗映画館の話。
映画の中では全く語られていなかったが、閉館の最大の理由はコストカットの際デジタル映写に完全移行するため、大元の映画会社が新作のフィルムを扱わなくなったから。
客入りが増えるのを見込めないのに、2000万円近くするというデジタル設備変更が地方の単館にできるわけがない。つまり、業界が自分で自分の首を絞めたようなものである。
映画は恵まれたロケーションなのに、作り手の力量不足で凡作になった。映画監督志望の青年の話など不要だし、シネマの地縛霊役ミッキー・カーチスも生かしきれていなかった。
本編はトホホな出来だったが、エンドロールで流れる最近閉館した新宿ミラノ座や銀座シネパトスに、山形のシネマ旭などの写真が一番感動したかも。