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ジェーン・ドウの解剖 

顔を映し、誰の内臓かを強調。映像作品を観て久し振りに吐き気を催した。検死官が主人公なのだからリアリティのある解剖を描くのは的確で素晴らしい。解剖される人間の腹を裂いて肋骨をハサミで切り落とす瞬間に、解剖される人間のクローズアップを挟むのが厭らしく面白い。

解剖を通して変死した美女を理解していく行程は探偵物的な面白さに満ち溢れ。腹を開いている最中に“誰しもが腹の中に隠し事を持っている”という気の利いた台詞。腹を裂くからソレは解き放たれ無差別に人が死ぬ。死ぬのは誰でもよくて、浄化ではなく罰、暴力を撒き散らす装置。始まりと終わりで暴力が発散され、連鎖を起こしていく。正しい暴力映画の末路。

まず舞台が地下という密室で、遺体安置所と部屋を繋ぐ動線である廊下の曲がり角に配置されるカーブミラーの存在、廊下を怪しく照らす蛍光灯と配置の仕方、昇り降りする為のエレベーターの存在、それ以外に地上に上がる手段の階段と蓋の存在、 などなど空間の設計が巧い。

祟り呪い悪魔などの類を発動する手段採用の仕方と、検死官という職業との相性の合わせ方、設定が巧い。

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