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美しい星 その4 

そしてその道中にこそリアリティがあった。地球温暖化という地球規模の現象よりも、都心を走り次々と通過していく夜の街に美しさを、行き交う人々に美徳を見出す。躍起になって地べたから、実際に見えもしない地球を救いたかった。一番美しい筈の地球よりも、何でこんな近い所に呆気なく、地球とは関係ない場所に、浮ついているが美しい光に溢れていた。そこに一番リアリティがあった。

地球規模の問題よりも、眼前に広がる夜の街にこそリアリティを感じてしまう。

そして肉体のくびきから解放された父親のような者は、UFOの大きな窓=画面から宇宙から地球を覗いてみる。あそこまで美しい巨大なブルーが眼前にあるのに、探してでも一番見たかったのはポツンと突っ立っている集団。あぁ、グッタリしている血色の悪い人間がいるね、それを皆が支えてるね、あの集団が綺麗だな、美しいな、あれが家庭なんだね。

大きな大きな容れ物の中に、遠い遠いところから、やっと覗けた、美しい星たち。

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