美しい星 その3
終点を知らせるのは冷徹な相手であったが、志が高く自分の理想の為に行動出来て、世論を操作する手段を怠らない。他人を操作する事こそが、理想へと近付ける。父親はそういった事は出来なかった。
冷徹な相手との対決は、テレビ画面の取り合いが争点で、この勝負に勝った者は画面を支配して次へと歩を進める。冷徹な相手は主人公ではないので、フェードアウトする。遠い未来は見えないが、近い未来を暗示する政治ニュースだけが流れる。
環境問題と国政というマクロ視点から、家庭というミクロな方に向いていく。この映画は要素を削いでいき、地球を削いで家庭を浮き彫りにしていく。
削いで削いで残った家庭から、父親は肉体の限界から病床に伏して、やっと娘との告解を互いに遂げる。家庭もまた、今まで父親を支配していたと言えて、家庭自身がそのくびきからの解放を、花道を飾る為に最後のアクションを起こす。