『メッセージ』超絶“普通”だった。宇宙船の形が丸くて曲線なだけに、映画も角を立てずに要領よく仕上げて、丸く収めている。こういうのをシャマランに撮らせたら良いんじゃないかと思えてしょうがない。彼ならば多少変な角を立ててしまっても、感動させてくれるはず。
主人公エイミー・アダムスがソレに“自覚”してからをジックリ描いて欲しい。悩んでいく行程と、決意までの期間が短い。この期間は重要だと思う。時間が題材なんだけど、時間の配分が上手くない。異物との接触までも妙に長い、手順通りにやり過ぎ。
ある仕掛けによる活路の提示の仕方も、ただの答え合わせに落ちていて致命的。運命を感じず、理屈っぽさが強い。時間が閉鎖されている円環構造の理屈は、だからこそ彼女は崇高なのだという事の理屈は、まぁまぁ分からない事もない。その理解から、感動に至らないのが厳しかった。