K.G.F ※とりとめのない書付
たまたま時間が合ったのでCHAPTER1&2をぶっ続けで見る。情報の洪水で頭がくらくらしている。予告編すら見ずに鑑賞したため、ポスターからは想像できない陰惨な物語だった。
劇中人物も語っていたが、ロッキーの一大叙事詩でありつつも、情に厚く欲に忠実なロッキーを作り上げた帝王哲学の持ち主である母親の物語に思えた。ロッキーを奮起させる存在として何度も登場する。ヒロインがラストを飾るための添え物。
存在を抹消された「ロッキー」の物語を聞く現在パートから、語り手によるロッキーの生い立ちの過去パート。更にロッキーが母との過去を思い出したり、語り手が自身の過去や時系列から外れたロッキーの過去を語るため、CHAPTER1では非常に混乱した。現在パートでも語り手が倒れて息子にバトンタッチするなど、何かと慌ただしい。特に序盤のKGFを巡る権力争いの説明は、誰が誰なのかわからなくなり困った。
CHAPTER1はロッキーがKGFを掌握するまでを描くため、場面ごとの語りが短くPVを見ている気分だった。2作通して暗転が多く、流れが切れる感じがする。
K.G.F ※とりとめのない書付
人望、権力、金と母親が願ったあらゆる物を手に入れても、愛した女とその子供、人並みの幸せな家庭を築くことはできなかった。父親になれない英雄。どこまでも個であり続ける。
全てを得て全てを失う様は『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を想起させたが、CHAPTER3があるのは夢のような泡のような結末だと感じた。
ロッキーの存在を完全に抹消する必要が最後まで感じられなかったが…アメリカ政府の管理下(?)となったロッキーを逃がすため…ではないであろうし。
主人公の圧倒的なカリスマを示すためには、多数の群衆の力強い演技が必要なのだとひしひしと感じた。モブのみなさんが感情豊かに演じるからこそスターが輝く。