地獄少女
『なかよし』連載漫画を原作とした実写ホラー映画…のはずが、監督白石晃士によりモキュメンタリーホラーシリーズ『コワすぎ!』のスピンオフとなっていた。
少女時代に地獄通信を用いた母親を持つルポライター工藤仁と、親友を救うため地獄通信を用いた高校生市川美保が中心となって話を動かす。登場人物の名前だけでも噴飯ものだが、白石晃士作品に通底する「異界の神(邪悪な心霊存在)を呼び出す/呼び出させる」というテーマがこの作品にも表れている。ただし、今作でその行為は一個人の妄想として一蹴される。儀式を行う前に阻止されたことで実体化できなかったのかもしれないが。
地獄へ堕ちる際の通称「雑コラ空間」、地獄で受ける「霊体ミミズ」風表現など、『地獄少女』の皮をかぶった『コワすぎ!』としか思えないのだが、当時の反応はどうだったのだろうか。
環ティナの人外じみた容貌が発揮される閻魔あいが非常に美しく、物語に説得力を持たせていた。
『ちゃお』を思わせる少女漫画的な強引なストーリーは、ホラーキラキラ映画とも呼べなくはない。
ステージ上の歌手を滅多刺しにし、挑発する手紙を送る通り魔とその母親が非常に良かった。