天才 勝新太郎 春日太一著(本の感想) 

年末年始に「座頭市」観てるのは、この本を読み始めて、心が燃えたからなのですが・・・さっき読了。面白かった。

映画作家としての勝新太郎がそこにいた!という本。歯に衣着せぬ、表現者(クリエイター全般)のあるべき姿を、勝新太郎から教えられた気がする。

この本は読者に対して「お前が表現したいものって何?」と、耐えず問いかける。「知識だけ学んでも無駄だぜ」と勝新太郎にせせら笑われたような気にさせられる。

勝自身は、その強烈すぎる作家性であるが故に、苦しみ続けることになる(この本には暗い話も全て書かれている)。

ここから下は僕の感想。
もう一つ、勝新太郎にとって不幸だったのは時代なのかな。60-70年代は、テレビが台頭し、映画界全体が不振だった。勝プロも資金繰りのために疲弊していった。
80-90年代は、勝新太郎のような型破りなアウトローにとっては居心地悪かっただろう。いつの間にか偉くなっちゃって、気づいたら袋小路。
勝新太郎の才能がわかるプロヂューサーはいなかったのかな?
全盛期に監督業に専念させてあげたかった(なぜか上から目線)。

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今考えると、勝新ってトム・クルーズ、ジャッキー・チェンみたいだ。せめてハリウッドに行っていれば・・・。
日本だと難しいよなぁ。この国は、何故こんなにも閉鎖的なんだろう。入って来るよりも出て行くのが難しい。

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