アウシュビッツレポート
「サウルの息子」っぽい作り。観賞後、とても鬱々とした気分にさせられる、というのは最大限の賞賛。人の鬱屈状態を、まるでその人になり切ったかのごとく主観的に体験させるという、表現方法が秀逸。
私は当然アウシュビッツの囚人ではない・・・がしかし、この映画の主人公の鬱屈した状態が、私がこれまで経験してきた鬱屈した状態に共鳴し、映画に入り込むことができた。
自分がもし絶望的な状況に陥ったらどうするのか?を考えてしまった。なってみないとわからん。
うーん。自分がほぼ100%死ぬと決まった時に、人は他人の幻想の中に生きることを望む、ということなのかもな。「何かを伝える」というのは、他人の幻想の中に自分の存在を残すということだ。