フォロー

妄想代理人2 

何が現実なのか?自分が誰なのか?分からない、という問いは、今敏がよく使うモチーフである。そしてそれは、アダルト・チルドレンや鬱病や援交やオウム問題の背景にある社会の闇でもある。今ワールドは、こういった社会の闇を反映したものであったのだと、本アニメを観ると気付ける。

現実はもう無いのかもしれない。でもだからこそやるんだよ!全部ぶっ壊す!という、猪狩が本当に感動的なんですわ。そう。これは倫理のアニメでもある。(今敏がそれを意識していたのか?はよう知らんけどな笑)。

最後に、これは僕だけかもしれないのだが、本アニメは昨今のコロナ騒動を彷彿とさせるところがあると思う。想像の産物に翻弄される人々の群像劇は、まさに、今と重なる。コロナの重病人が身近にいる人なんてそんなにいるはずないのに、みんなコロナを警戒する。これって実は、ほとんどの人にとってコロナは想像の産物に過ぎないということだ。

現実をベースとしない、或いは、現実をねじ曲げるための想像はダメなんだ。良い想像とは、現実の世界を解釈するための想像だ。今敏のアニメがそう言ってるんだから間違いない。

· · Tootle for Mastodon · 0 · 0 · 0
ログインして会話に参加
映画ドン-映画ファン、映画業界で働く方の為の日本初のマストドンです。

映画好きの為のマストドン、それが「映画ドン」です! 好きな映画について思いを巡らす時間は、素敵な時間ですよね。