「ブラジル 消えゆく民主主義」の感想です(3/2)
民主主義ってのは、一夜にして成るものではない。真の民主主義を達成するためには、過去の慣習を全て壊し、完膚なきまでに撃滅し、全く新しい世界を作るぐらいの気概がないと達成は不可能。この映画の登場人物が着ているTシャツに“give me democracy or give me death”と書かれているのだけど、民主主義ってのはそういうもんだ。民主主義を得るためにはたくさんの血が流れる。そして、その成熟には長い年月を要する。
ブラジルの民主主義の生成過程は、血を流した。しかし惜しいことに、長い年月を要して成熟しなかった。
日本人としてやばいなぁ・・・と思う理由は、日本の社会・政治・メディア状況が、この映画の中のブラジルと酷似しているところなんだよね。ブラジルと日本で異なる唯一の点は、日本には、経済的な余裕がまだまだあるということだけ。今の日本社会は、かつての繁栄が産んでくれた遺産だけで持っている状況。そして、日本の民主主義は血を流して達成されたものではない。もし、日本の経済が破綻したら、日本は一気にブラジルみたいになる可能性がある。