『グリーンブック』の感想です。 (1/3) 

ビゴモーテンセンが四六時中何かを食いまくる映画です。というのは嘘です。凸凹コンビのロードムービー。ドッカンドッカン爆笑するわけじゃないですが、この世界って良いな、と思わず笑みがこぼれました。
あとこれ、クリスマスに観たかったなぁ。。。悔。

この映画は人種問題を扱っているのですが、正直なところ、僕はあまりそのテーマ性を強く感じませんでした。むしろ「万引き家族」に近いテーマ性があるような?気がしました。

1番好きなシーンは、旅の途中、クルマがエンコして農園の横に停車するシーン。ここだけ音響がピタッと止まる。農園の虫の音だけが聞こえる。開かれた視界の先では、黒人労働者が草刈りをしている。黒人労働者とエリート黒人ピアニストであるドクター・シャーリー、両者のコントラスト。

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『グリーンブック』の感想です。 (2/3) 

このシーンは凄かった。音楽もアクションも台詞もなく、たった数秒間だけのシーンにも関わらず。

この映画、中盤までは人種問題がテーマっぽいです。しかし終盤「ドクター・シャーリーが南部へのツアーを行った動機」が示され、「あー、そっちが本当のテーマだったのか」という風に思ったんですよね。

劇中、トニーの家に集まるイタリア人達が超貧乏で、超頭悪そうで、黒人を完全に見下しているんだけど、とても楽しそうだし良い人達なんだよね。(まぁ多分、黒人に対する偏見を持っているだけで、根っからの黒人嫌いという訳ではないらしい。)
反対に、ドクター・シャーリーは、超金持ちで、超頭良くて、人に対する尊敬の念に溢れてるんだけど、すんげーつまんなそうにしてる。

ドクター・シャーリーに無いものは、コミュニティなんだよね。
これが「万引き家族っぽいなぁ」と思った理由です。

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『グリーンブック』の感想です。 (3/3) 

「万引き家族」は「コミュニティがない日本の社会構造マジやばいっすよ」という映画だとすると、「グリーンブック」は「たとえ地位・金・名誉があってもコミュニティに属していなければ無意味っすよ」という映画だと思いました。

本作がアカデミー作品賞を獲ったことは、白人の救世主問題批判されているようですが、白人とか黒人とかあまり関係がないような気がしたけどな。
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