『女王陛下のお気に入り』の感想です。 (1/4) 

観る前の期待=>楽しい映画なのかな!ワクワク!笑うぞ!
観た後の感想=>悪夢だ・・・悪夢でしかない。

前情報全く入れず、皆さんの感想もあえて見ずに、、、観たらこの衝撃。普段僕は分かりやすい映画ばっかり観てるし、ランチモスの過去作は1つも観てないから、そう感じたのだと思います。

序盤はシュールなギャグでコメディ調。しかし途中から全然笑えなくなる。ダメだ!ダメダメだ。ああああぁもうこの女3人何やってもダメだ・・・。おまけに化粧なんかしちゃってるイギリスの王宮の男どもって全然ダメじゃん。え?てことはイギリスという国家がダメじゃん。てゆーか登場人物みんなダメじゃん。この悪夢から早く解放されたい。俺はいったい何を観てるんだろう?

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『女王陛下のお気に入り』の感想です。 (2/4) 

この救いのなさが実に素晴らしかったです。すっかり嫌な気分にさせられました。

帰りの電車では何でこんな嫌な映画なのか?を考えてました。

この映画、観客の気持ちが宙ぶらりんにさせられ、落ち着きません。それは何故か?
3人の女達が、わかりやすい善悪に分類できないから。この人は良い人なのかな?と思うと裏切られる展開の連続。いったい誰の物語なのか?分からない。先が読めない。最終的な着地点もよく分からない。ますここが上手い。

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『女王陛下のお気に入り』の感想です。 (3/4) 

そして、人間の本質的であるが故に醜い部分を、これでもかと観せつけてきます。レイチェル・ワイズもエマ・ストーンも、狡猾で強欲で自分のことしか考えていない。しかしそれも悪いこととは言い切れない。何故なら、それが彼女らの生きる手段だから。そんなことは分かってるさ!でも、いざこうして映画として観せられるとこんなにも嫌な気持ちになるものか。

特にアン王女の描き方が上手い。この映画は、不幸な人生を歩んできた彼女の哀れさを単に御涙頂戴にしていない。結局、彼女も自分のことしか考えてない。エマ・ストーンもレイチェル・ワイズも、アン王女の娼婦でしかないことが段々とわかってくる。

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『女王陛下のお気に入り』の感想です。 (4/4) 

この嫌な感じは、普段我々が日常生活を送っている時に潜在的に感じていること。みんな表に出さないけどね。だからこそ、こんなにも嫌な気分になる。嫌な感じの切り取り方が上手い。

この映画には救いが全くないのか?というとそうではない。そこも上手い。エマ・ストーンがアン王女の苦しみを分かってあげるシーン。アン王女がエマ・ストーンの結婚を祝福するシーン。レイチェル・ワイズが夫の武運を祈るシーン。これらのシーンは救いがある。そのように撮られている。

この世という地獄から逃れるための唯一の方法は、自分以外の者のために良いことをすることなんですよ!と言いたいのかな・・・多分。
人生の9割以上はダメダメ。良い瞬間というのは1割程度しかないのかもしれません。
勉強になりました。
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