スティング
昭和の子供には「ピエール・カルダン」的に耳になじんだ、それでいて何者なのかわかっていなかったポール・ニューマンを初めてちゃんと見た。なんだかえらくかっこいいおじさんだった。「大きな森」シリーズで「父さんの目がチカチカっとした」みたいな表現があったけど、あの目。笑みをにじませたっていうのかな、余裕と遊び心という感じ。ランニングのおっちゃんがスーツでばしっと決めるところ、フォーマルなおしゃれもよいものだな、と思った。若造のロバート・レッドフォードもちゃんとした服を着せると見栄えが良くなりとてもよい。
話は『オーシャンズ11』の元祖という趣でわくわくと楽しく、詐欺師ものを観慣れていないので存分に楽しめた。脇役のおじさんたちも楽しそうで能力が高いのがいい。わたしはしっかり騙されたので、結末でにこにこしている自分に気が付いた。
そもそも悪いのはどっちかということを考えるとちょっと盛り下がるところはあるけれど、それ以外は文句なし。楽しい一本。