PK
寓話的なのでいちいち都合のいい展開ではあるのだけれど、そのぶん宗教の問題にかなりはっきりもの申す脚本になっていて、インドでここまで表現するのありなんだなあという驚きがあった。同じ時代に生きてるんだから、憎悪扇動や集金のためのシステムとしての宗教に疑問を持つ人がマジョリティになってきているのだろう。インド人の同僚がいたとしても、素朴な疑問を投げるのは憚られるけれども(海外から見ると天皇制も宗教の一種に見えるらしいし、日本人は無宗教でもない、考える機会がないだけだと思う)。
アーミル・カーン目的で観る者にとっては、表情の乏しい演技をせざるを得ない役柄なのは物足りなかったし目が乾く(観ればわかります)、が、それはそれとしてジャグーの幸せとpkの悲しみどちらにも共振してしまいインド映画で涙目になるという初めての体験をしてしまった。