たまこまーけっと/たまこラブストーリー
あとすごいのが、商店街のお花屋さんであるかおるさんという存在。声優小野大輔さんが演じている美人なお姉さんで、たぶん見るとその声に誰もが違和感を抱くと思うんですよね。でも小説版で男性として生きていた過去を語られるだけで、本編ではまったく誰もその話をしない。ただそういう近所の美人なお姉さんとして誰もが自然と受け止めている。
そうした風通しのいい世界で、しかもただほのぼのとした話が描かれるだけでなく、それぞれの人物が悲しかったりすることもあるいろんな過去を背負って生きているのがしっかり描かれていて、いわゆる「日常系」という感じではなく、ほとんどが一話完結ながらしっかり人間ドラマになっているんです。
そして続編たまこラブストーリーでは、本編では描かれなかったたまこの初めての恋が描かれる。恋を意識した直後の描写がよくて、アニメだからこそできた素敵な表現なんですよね。いつもの風景がきらきらとした色の流れになってしまう。
テレビ版は6年前の作品ですが、いまでも最前線にあると思います。