ゲンボとタシの夢見るブータン
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「幸福度世界一」と語られる「幸福の国」ブータン。冒頭で自分たちでもその肩書を誇りにしているらしきさまが示されているが、この作品ではそれが皮肉にしか思えないほどの絶望感を味わえます。それは衝撃的な絶望ではなく、ゆっくりと確実に行き先が失われ、手足を束縛されていくみたいな絶望感。
この国で、住職であり権威主義的な父親のもとで、僧になりたくないと感じながらもそれをうまく言えずにいる兄ゲンボくん、男の子なのにただ生まれたときに女性を割り当てられたがゆえに周りから女であることを求められる弟タシくんはどうすれば幸せになれるのだろう。とても苦しかった。