フロリダ・プロジェクトにせよ万引き家族にせよ、あれらで語られている人々は、なんというか「貧しいけどあたたかい」みたいな人情もの的存在ではなく、もっと明白に「間違っている」ように思える。また一方的に押しつぶされる弱者でもなく、もっとしたたか。それがとてもいい。「世間の正しさとは違う正しさがあるんだ」でも「世間に押しつぶされた哀れな犠牲者たち」でもあんまり面白くない。なんというかこう、明白に間違っている人々が、でも美しい、間違っていて、共感しても正当化してもならない存在なはずなのだけれどもそれでもなおその人々に視線を向ける、その美しさを切り取ってしまう、みたいなところに魅力を感じます。