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ダンケルク(注意:全文ネタバレです) 

自分には音と主題にどっと疲れた映画でした・・・「英雄」とは誰のことか。自分の命の危険を顧みず仲間を助ける者。その反対は、仲間を犠牲にしてでも自分だけは助かろうとした者。この二者の対比が主題なのだろう。だからドイツ軍の人物描写はあえて無し。そしてノーランの一貫したテーマである「嘘」も(書籍「クリストファー・ノーランの嘘」による)、生き残る為の嘘(身分の擬装)と、人を罪悪感から救う為の気づかいの嘘、頭を打ち付けて亡くなった若者を英雄として新聞記事にしてもらう嘘など、二者における嘘の違いが明白に描かれていた。フランス兵はこの二者の中間的存在か。映画のラストで、燃料切れを省みず味方を救い、脱出もせずに飛行機を敵地に着陸させたトム・ハーディーから、「クソ(非英雄的行為)」をガマンしきれずフランス兵を死なせて生き残り、罪悪感にまみれた帰還兵への切り返しショットが、ダンケルク撤退戦の真実を象徴する・・・。

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