『それいけ!アンパンマン ブルブルの宝探し大冒険!』キングコング映画!
監督:矢野博之、脚本:米村正二とシリーズベテランの布陣で送る劇場版29作目。
矢野&米村コンビは得意の「幼き者の小さな一歩の物語」をゲストキャラのブルル(多部未華子 好演!)に託し、彼を後押しする存在として今回はカレーパンマンをフューチャー。大泣き必死の成長冒険巨編に仕上げて見せた。
冒頭からダンスシーンを加えた意表をつく展開で気合十分。『キングコング』を模した探索劇に「行きて帰りし物語」を効果的に採用し、行きと帰りでブルブルとカレーパンマンのアクションを反転、あるいは同調させて最後のバイキンマン戦では背負う者と背負わせる者の逆転劇をアクションの中に盛り込んで大団円!
マンド損壊によるダイナミックな作画パート、アンパンマンの重要モチーフである太陽のカットと涙腺を緩ませまくる四本足走り!!ブルルの大泣きアクションとクライマックスの咆哮の対比もカタルシス満点。
いつもは新しくできたアンパンマンの顔で行われる共同作業アクションにも本作らしい投げ縄を加えた一捻りな描写がニクい。
30周年に向けての堂々たる力作だ