BD『逃亡者』(1947)
大傑作!原作のアル中神父設定をクソ真面目キャラに改変されたグレアム・グリーンが怒ったのは理解できるけど、何で評価低いのかわけわからん。
ヘンリー・フォンダの神父はグリーンやBDリーフレット解説担当の遠山純生氏曰く「非の打ちどころのないほど高潔な人物」という評価らしいが、自虐的的で儀式用のワインを得るための右往左往っぷりは宗教の知識に乏しい自分には情けなく融通の利かない弱弱しい存在にしか見えず。
これがイライラに繋がるかというう、宗教非合法化の地で逃げようとする度に足止めをくらい、いざ警官たちに捕まると彼らの恐るべきカンの悪さで見逃され釈放されるという深刻なスラップスティックと化して行きメチャクチャ面白い。そこから撮影のガブリエル・フィゲロアからブニュエルの不条理劇を想起させるのは容易く、逆にブニュエルの作品群は思った以上に真面目に「キリスト受難劇の寓話」をやってたんだなー、と改めて気づかされる。
アクションとしても素晴らしくて、警官隊とウォード・ボンド(凄まじくカッコいい役柄)との霧と砂塵の合わさった銃撃戦はスリル満点。酒場の足のショットも絶品!