映画『パーフェクトブルー』感想
現実と虚構が入り混じる様子がアニメにしかできない表現で巧みに描かれていて、悪夢のような光景が続く。
自分は何者なのか分からなくなっていく未麻の混乱した視点を通して描かれているので、ミステリーとして難解な印象だけど、終わってみて思い返すと「なるほど」となる。
終盤の、軽やかなスキップで音もなく追ってくる未麻が恐ろしい。
インターネット黎明期の本作、インターネットやオタクを気持ち悪いものとして描いているのも印象的だった。SNSが当たり前になっている昨今、なりすまし問題はもっと身近になってしまっているよね。
背景となる街の風景にも、セクシーに撮られた女性のポスターなどが堂々と貼ってあったりと、時代を感じさせる。コンビニに並んでいたエロ本しかり、若い女性を性的に消費する、そしてそれを街中に堂々と掲示する。あーこの頃ってこういう時代だったよなと思いながら観た。未麻はその時代に流されてしまった存在なんじゃないかな……。
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