駅前シネマ、幕下ろす 金沢で62年、今月いっぱい | 北國新聞
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2020/3/17 02:14 (JST)
映画隆盛期の昭和30年代から石川県内で唯一、営業を続けた「駅前シネマ」(金沢市笠市町)が今月末にも閉館する。映画館がシネコン(複合型)中心となる中、単館のピンク映画館として根強い人気を得たが、フィルムでの上映継続が難しくなったことなどを理由に、藤岡紫浪(しろう)館長(72)が62年の歴史に幕を下ろすことを決めた。裏路地のピンクネオンが静かに消えようとしている。
藤岡さんの祖父が駅前シネマを開業した1958(昭和33)年、金沢市内には映画館が20以上あり、同館は封切りから半年ほどたった娯楽作品3本立てを最低料金55円で上映して人気を博した。しかし、家庭にテレビが普及すると娯楽映画は下火に。閉館を考えた祖父を、藤岡さんは「一生の仕事にするから」と説得し、金大を卒業した70年に経営を引き継いだ。
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