トゥモローワールド(原題:Children of Men)
原題と全然ちゃうやんけ!と思ったけどディストピアがうまく描けてると思った。以前ジョージオーウェルの1984を批評した際と同じような手法になってしまうためやはりディストピアものの限界というものはその辺にあるのかもしれない。
まずやっぱりカメラワークが素晴らしいと思った、露骨なまでのバックグラウンドの強調。バックグラウンドは文化的背景でもあり、映像の後景のことでもあり、後景に映し出されるものがイギリス人が国のイデオロギーやプロパガンダに絡め取られ見えなくなってしまっているものだったと思う。そして冷酷なまでに描かれない移民たちや、石を投げてくる人たち。サバルタンはやっぱり語れないのか、と思ってたら収容所で一気に展開が変わる。リベラル派の方が過激、という日本でよく観られるようなシーンが演出されててなんとも…笑。