「100億人―私達は何を食べるのか?」
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面白かった。我が国では「食糧危機」というと「食料自給率」が云々という話にいき「食料自給率をあげるにはどうしたらいいか?」という問に集約する。食糧危機の背景の構造とは何か?そこまで話が及ばない。
本作は食糧危機の構造が具体的に分かって面白い。グローバル化と自由市場の負の側面、「外部化」が食糧危機の裏の構造的な欠陥だ。
食糧危機の解決策は技術革新である、という結論になっていない。鋭い。地域の小農業の復活が鍵であると説く。
外部化に対する処方箋が地域の小農業の復活だ。日本でいうところの地産地消ということだが、この意味は、外部化への対抗なんだ。真の地産地消は「グローバル市場の介入を、食糧生産ラインから完全に追い出す」ということに他ならない。従って、種子・肥料・栽培・売買・消費の全てが地域内で閉じて循環していなければならない。種子や肥料をグローバル企業から購入したり、できた野菜をグローバル市場へ売ったり。こういうのは「悪い地産地消」だ。この映画を観ていただければそれがわかるだろう。