旧エヴァの人類補完計画って、冷静に考えるとものすごく突拍子もなく、滑稽な計画なんだよね。ぶっちゃけ、クレしんの劇場版によく出てくる、おふざけ作戦、例えばブタのヒヅメ計画と同じようなもんだと思う。コメディ作品に出てきそうなモチーフ。
でもそれを滑稽に茶化すのではなく、作品の世界の中に現実味を持って存在させているところが、旧エヴァ製作陣の能力、やっぱり凄い!んだよな。
SF映画っていうのは、観客が作品の世界に違和感なく入り込めるか?もっというと、どれだけ現実味のある世界を作り込めるか?いやちょっと違うか、、、言い方が難しい、、、どれだけ現実世界とのつながりを保ちながら、架空の世界を作り込むか?みたいなところで作品の良し悪しがほぼ決まるものだと思っている。スターウォーズしかり、ブレランしかり。
庵野監督たちのアニメ制作グループがむかし作ったオネアミスの翼っていうSFアニメがあるんだけど、それが非常によくできており、作品の中の世界の作り込みが凄いんだよね。
その流れを汲んでいるおかげか、旧エヴァの世界の作り込みってめちゃくちゃ上手いんだよね。
@tacchan その視点からすると、新エヴァの世界の作り込みも、ちょっと、というか、かなり微妙なんだよね。というか、新エヴァの製作陣は世界の作り込みに対して、あんまり興味はないみたい。
説明は難しいんだけど、新エヴァで描かれているあの世界は、現実世界なんだよね。現実世界の中でエヴァが戦う、みたいな感じで作られてる。そう。ゴジラみたいな感じなんだよ。ゴジラは現実世界の中で怪獣が暴れる話じゃん?新エヴァは、現実世界でネルフと使徒が戦う話になっちゃった。もちろんそれはそれで良いのかもしれないが、かつてあった、SF映画としての魅力がかなーり薄まってしまったんだよね。
旧エヴァで描かれている世界は、紛れもなく架空世界なんだ。架空世界の中でネルフと使徒が戦う話になっている。そのかわり現実世界ではないから、現実世界でネルフと使徒が戦う迫力、という面での魅力は薄いんだよね。
どっちが良いという話ではないんだ。多分旧エヴァと新エヴァの製作陣の指向性の違いなんだと思う。