ミッドサマー(その2)
この映画に何度も出てくる「共同体」や「家族」という言葉が印象的。
本作で扱われているのは、ものすごく強固な、宗教をバックボーンとした共同体。共同体の構成員は包摂され、守られ、共感と承認を得られ、構成員同士の助け合いの絆が強い。このような共同体の構成員は幸福に暮らしていくことができる。
でもね。良いことばっかりじゃないんだよ。共同体には恐ろしい一面もある。この映画を観ると、それが良くわかる。
かといって、共同体と宗教が完全に崩壊した世界を描いていたのは、昨年公開された「ジョーカー」。こちらも恐ろしい。
どっちに転んでも恐ろしい。じゃあどうすれば良いの?と、考えさせられます。
この映画の主人公の女の子の境遇的には、俗な社会で生きてても食いものにされるだけだろうから、たとえ狂った思想を持った共同体であっても、共同体に包摂されていた方が幸せなんじゃないだろうか?と思ってしまった。
そういう意味で、最高のハッピーエンドでした。
あ・・・ちなみに、この映画はグロ注意です。といっても、単に「グロい」のではなくて、「美しくグロい」って感じなので、ご心配なく(笑)。