『ブレードランナー2049』の感想です。 (1/2)
この映画から得られる教訓は、自分の存在を認めてくれる「何か」を探す行為に拘泥してはならないということだ。その行為に身を投じれば道を誤りかねない。誤りとは、共感のない相手に対して自らを売り渡すことだ。たとえ自分の存在を相手から認めてもらえたとしても、そこに救いはない。真に探すべきことは共感だ。共感だけがこの世の救いだ。
この映画の全ての登場人物は、「求められて生まれてきた存在」にこだわっている。しかしKだけが、そんなものに意味がないということに気づいてしまう。そして、Kだけが本当の悟り(救い)を得る。映画の最後でやっと、彼は共感を得る。彼は救われ、満ち足りた表情で死んでゆく。デッカードが彼に共感を与えたのだ。
『ブレードランナー2049』の感想です。 (2/2)
最も大切なことは「共感を得よ」ということだ。「自分」「人間」「魂」「必要」・・・言葉(レッテル)に騙されてはならない。物語の構造自体はブレードランナーと同じなんだけど、2049の方が余計なものが削ぎ落とされて、より純化されている気がする。だから2049の方が好きなんだよね。
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