『止められるか、俺たちを』の感想です。 (1/4)
いやぁ・・・なんて言うか・・・形容する言葉がない。
僕からしたらこの映画は「良い」とか「素晴らしい」とかの範疇を超えていた。
いつも僕は、割と冷静な(悪く言えば冷めた)気持ちで映画を見るんだけれども・・・。
この映画では、そういった冷めた視点を全て忘れることができた。本当に久々。
撮影技術?脚本?役者?・・・技術を語ることには価値がないとさえ思った。むしろ語りたくない。
映画が面白かったかどうか?・・・どうでも良いんだよ。
僕は、この映画の「テーマ」の部分に強く共鳴してしまったのだ。だからこの感想は、極めて私的なポエムとなっているので、読む人はご了承を。
『止められるか、俺たちを』の感想です。 (3/4)
この映画には、強い情念を持っている日本人が描かれている。ぶっちゃけそれだけ。あのね、本当にそれだけ。
メッセージ性があまりにもどストレートであるため、観る人によっては違和感を抱くかもしれないが・・・、それで良い。むしろ違和感を感じろ。もしかすると、今の時代にはない「救い」を得られるかもしれない。
劇中、学生運動や、かつての赤軍事件を彷彿とさせるシーンが多々あるため、思想性の強い映画だと想う人がいるかもしれない。
・・・が、勘違いしてはいけない。
この映画で伝えたいことは「思想」では無く、「情念」だ。
若松監督自身、思想のある人物ではない(それを意図したシーンが、ちゃーんと入ってます、良く観てれば分かる)。彼には私的な情念と肉体があるだけ。
『止められるか、俺たちを』の感想です。 (4/4)
映画は私的なものなんだよ。だって、この世界を見る我々の視点も情念も、本当は私的なものでしょう?我々の肉体も私的なものでしょう?何を言っても、やっても良いじゃないか。正にそんな映画でした。
1970年代を生きた人にとって、この映画は、当時を懐かしむものなのかもしれない。
・・・今を生きる10代中盤から20代前半の多感な、できれば映画好きではない、一般的な人にこそ、観てもらいたい。
今とは全く異なる日本社会がそこには描かれている。先に述べた通り、それは本当の人間の「情念」が生きていた時代である。
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