メッセージ⑥(ネタバレ)
まだ初見時の疑問点が残っている。ルイーズがシャン将軍に電話番号や妻の遺言を教えて貰うとき、ルイーズが何がなんだか分からないわ?という顔していたのが気になった。もうこの時点で人生全体の記憶を持っているのだから「この時が来るのを待ってました」という態度で迎えるべきなのだ。原作の小説の場合、覚醒後のルイーズがウェバー大佐と会話する場面で「そっちは即興でも、こっちはもう何度もリハーサル済みなのよ」とつぶやく描写があるので、映画での戸惑いの表情は論理的に間違ってると分かる。(この演出はこの時点で良くわかっていない観客のためのやむを得ない処置なのだろう)
もう一つ大きな矛楯がある。娘が死ぬ未来を知ったルイーズはそれでも結婚して娘を生む覚悟をするのに、未来を見通せるヘプタポッドが3000年後の未来に人類に助けて貰うために来たというのはおかしい。ヘプタポッドは運命を受け入れる覚悟をしていないことになる。ルイーズも軍事衝突を回避する努力はしても、娘の死を回避することはしないという矛盾がある。⑦へ