美女と野獣は良い。
町山さんのムダ話で、「野獣は初老の爺さんで(ジャン・コクトーも当時60代)、娘のような女性に好かれようと頑張って空回り」っていう語り口が既に面白かった。ジャン・コクトー版が結婚教訓的な、ある意味女性のしたたかさに焦点を当てているのに対して、ディズニー版は男性の求愛から「外見より内面の美しさ」を導く美話として扱われてるという違い。(このプロットから、羊たちの沈黙やら怪物くん、更には逃げるは恥だが〜に共通点を見出して話を広げる町山さんはやはり凄い。)現代にみれば古いよなぁと思う箇所はそりゃ多々ありなんだけど、個人的には『眠れる森の美女』と通じている気がして好き。眠れる森のディズニー版は"Sleeping Beauty"、ペロー版だと"ラ・ベル・オ・ボワ・ドルマン"、眠るのはディズニーでは美女、ペローだと森で、人物より背景が主人公級な描かれ方も今回の美女と野獣に通ずるところありで。絵本の1ページ目のような出だし、線の主張が激しい鋭い城、生きてるかのような森のホラー的躍動感とかとか。キャラ改変のいじりも似ていたな。一番良かったのは、ミュージカルの繋ぎがシュッとしていたところ。