しゃとん

『シーリと氷の海の海賊たち』。
#児童文学 好きなので、翻訳家よこのななさんの投稿でを知って、読みました。

読み始めてすぐ『ジム・ボタン』とか『ライラの冒険』といった、優れた作品と同質の「つよさ」がある作品だと感じました。

海賊にさらわれた妹を助けるために故郷の島から旅立った主人公シーリ。

シーリは、すごく頭が良かったり、美しかったり、剣の達人だったりするような、そういう特徴はありません。ただ、ゆるされないことはゆるしてはいけないという固い意思を持ち続けます。それが彼女のつよさです。

行く先々で、いろんな人や不思議な生き物に出会い、助けをかり、しばらく共に生活する。でも助けてくれた人と自分とは考え方や生き方が違うのだとわかり、また旅を続行する。

うかうかしていると、自分が何を踏みつぶしているのかも見えなくされたまま、たくさん流布される強者の物語のなかで生きざるを得なくされている私たちの社会で、自分にとって大事なものは何なのか、正しさとは何なのか、常に問い続けながら旅を続ける主人公のこのお話は、多くのひとに読まれるべき物語だと思いました。

訳してくださった方がいて、この本に出会うことができて、良かったです。

#読書 #岩波書店 #スウェーデン #北欧文学
QT: ohai.social/@piiip/11145161268
[参照]

🍉yokononana🍉 (@piiip@ohai.social)

Attached: 1 image 訳書『シーリと氷の海の海賊たち』(フリーダ・ニルソン作、岩波書店)が本日刊行です。 こんなときに本を紹介してもいいんだろうか、という気持ちはずっとぬぐえないのですが、偶然にもこの数ヶ月間、何度も読むことになり、とても励まされ背中を押された作品です。 おとなの誰もが無理だとあきらめてしまっていることに挑もうとする10歳の女の子シーリの物語です。 日本語での前作『ゴリランとわたし』とは趣が少し違う作品ですが、すこしふしぎな設定、弱いものに対する視線など、根底には同じようなものが流れていると思います。この作品以降、重厚なファンタジー作品が多くなっています。 幅広く奥深いフリーダ作品の世界を楽しんでいただければうれしいです。

ohai.social