『ハウス・ジャック・ビルト』3回目②
パンフレットを見るとプロダクションノートに色々とヒントがある中で、ラースは基本的に最近の映画を見ていないらしい(ただし、キャストイメージはキャストが出演した過去作品からの影響はある)。むしろ、デンマークの大先輩カール・ドライヤーやアルフレッド・ヒッチコックの影響下で塗り固めながらも決してありふれていない、ラース独特の作品に仕上がっている。マット・ディロンが演じるジャックが『サイコ』のノーマン・ベイツっぽいだけでなく、『ロープ』や『ハリーの災難』の死体隠し、第1と第4の被害者が金髪の美女、『裏窓』風の建物のカットなど、ヒッチコックらしさがいくつか見られる。これまで、いままでのラースの作品ではドライヤーの影響はいくつかあったが見えにくかった(あったかもしれない)ヒッチコックの影響がくっきりと感じられる。
ヒッチコックの『サイコ』をはじめ、『裏窓』、『ハリーの災難』、『ロープ』、『疑惑の影』など、ドライヤーの『吸血鬼』辺りを見直したいな、という衝動にかられそう。
『ハウス・ジャック・ビルト』3回目
『ハウス・ジャック・ビルト』、3回目の鑑賞。ようやく落ち着いてみられた。
とにかく、展開の設計がしっかりしている。
「第1の出来事」はシリアルキラーになるきっかけとしてのホップ、
「第2の出来事」はより本格的なシリアルキラーになるための“発展”のステップ、
「第3の出来事」はよりしっかりとした残忍さを見せる完成形のジャンプ、
「第4の出来事」と「第5の出来事」はさらにオープンリーチのような大胆不敵なジャンプの熟成、
「エピローグ」はそれまでの章とは完全に別物の地獄編の着地、と完璧としかいいようがない。
今回の作品は展開と演出は前作『ニンフォマニアック』に似ているが、セルフ・オマージュが多かった前作に比べ、本作はセルフ・オマージュは少ない。そうした意味で、これまでのラースの集大成だった前作『ニンフォマニアック』よりも遥かに先を行き、真の意味でのラース・フォン・トリアーにとっての新作と言えよう。
ラース・フォン・トリアー監督最新作『ハウス・ジャック・ビルト』
前作『ニンフォマニアック』から5年ぶりのラース・フォン・トリアー監督・脚本最新作『ハウス・ジャック・ビルト』!!!!!
より濃厚に味わうために1日2回(連続)見てしまった(笑)!!!!!
とにかく躊躇がない殺人絵巻!
これラストシーンの解釈を含めてラース・フォン・トリアーによる21世紀の『殺人狂時代』ですよ。
あと主人公が老人に過去を独白する形で展開したり、数々の音楽、絵画、建築、文学、動物などのトリビアコラージュなど、
作りが『ニンフォマニアック』と同じなんだよね。
色情狂の『ニンフォマニアック』と殺人狂の『ハウス・ジャック・ビルト』で欲望の異母姉弟である!
それとなによりも重要なのがグレン・グールドのピアノ!!しかも、なぜかグレン・グールド本人映像つき! これがより不気味で凄い。
密かに何百回見ていた予告編のを聴くのとは違い、本編のグレン・グールドには重みと不気味さがある。
『女王陛下のお気に入り』に勝るとも劣らないというか勝っちゃった変態殺人映画!
多分、また見る。
#洋画
「 #ブロークンフラワーズ 」を見ました
実年だが、プレイボーイな男が独身だが、
昔の彼女から息子がいたと知らされ、
その子が生まれた時ぐらいに、
付き合っってた彼女たちの中から
母親を探す旅に出たという話
ストレートに言うには、
デリケートな話題なので
遠回しに言わないといけない
もう、ずいぶん前にわかれた彼女なので、
なんで会いに来たのかとか、
元彼女としては、なんで今さらという
そんな感じの不思議な感じの再会話が、
なんとなく面白い映画です
それに、元彼女たちが、
幸せそうだったり、不幸せそうだったり
変な方向にハマってたりと
いろいろなパターンがあって、
いろいろな再会話が楽しめます
あと、隣人役のジェフリー・ライトと
ビル・マーレイの変な感じの漫才も
楽しいです。
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
納得行くために3回見た。
脚本が精巧だった『パシフィック・リム』や『シン・ゴジラ』と比べて、政府とモナーク(現場班)のやり取りが序盤しかなかったり、やけにラッセル親子にクローズアップした脚本に雑さを感じたが、渡辺謙演じる芹沢博士の「ゴジラ愛」と終盤の4大怪獣ガチンコプロレスの圧倒的パワーにねじ伏せられる…というのが今回の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』かな。
レジェンダリー万達グループの中華風味も雲南省とチャン・ツィーでたっぷり効かせた辺りは『パシフィック・リム2』よりかはいくらかマシ。
生物が死滅する兵器や核投入に躊躇がない荒唐無稽さあるが、世界中で巨大生物大暴れによる終末ムードは擬似的な世界大戦と考えればありかな。
異様なスケールのデカさと同時多発怪獣パニックな様子に『インデペンデンス・デイ』や『デイ・アフター・トゥモロー』、『2012』といったローランド・エメリッヒ風のブロック・バスター/ディザスター/パニック映画に通じるものを感じた。が、監督はエメリッヒではなくブライアン・シンガー周りのスタッフなんだよね。